佐伯小学校6年生の「山田小プロジェクト」の提案を町としてどのように受け止めたか。
現在の佐伯小学校6年生の中の4人は旧山田小学校で学んだ最後の子供たちです。彼らは2年生からは統合した佐伯小学校の児童となりました。
統合した年の小学校のPTA会長は私がさせていただきましたが、子供たちも保護者も、統合して良かったという声は多く耳にしましたが、統合しなかった方が良かったという声は聞きませんでした。山田地域の住民の方々にとっては、地域から元気な子供の声が聞こえなくなったという寂しさがあったのではないかと申し訳ない気はしますが、当事者である子供たちや保護者にとっては良かったのではないかと思います。
そうした最後の山田小学校の児童であった4人の子供たちを含む佐伯小学校の6年生が旧山田小学校の再利用を願って、「山田小プロジェクト」を立ち上げました。それまでも、旧山田小の清掃活動は続けてていて、その清掃活動がテレビに取り上げられたこともありました。今回は単なる清掃活動ではなく、旧山田小学校の再利用を考える「山田小プロジェクト」として、NHKの「もぎたて」、テレビせとうちの「ななスパ///」、RSKの「イブニングニュース」でも放送されました。いずれも夕方の情報番組です。動画の多くはYouTube内のそれぞれの公式チャンネルで見ることができましたので、見逃した方は検索してご覧になられたらいいかと思います。
子供たちが自分たちで考え、話し合い、その考えをまとめ、プレゼンテーションの練習をして、教育委員会に提案に行きました。プロジェクターとプレゼンテーションソフトを使っての立派な提案で、私もたいへん感動しました。教育長をはじめとして教育委員会の方々にも、その熱意が伝わり、佐伯小学校の子供たちの成長が伝わったと思います。プレゼン後も、学校に戻って、給食の時間を利用して、1年生から5年生までの児童に報告をしました。
6年生のプレゼンテーションの具体的内容は、先月の2月14日に放送されたRSKのイブニングニュース内に見ることができました。真庭市の上田小学校だった学校をリノベーションした事例や国庫補助制度を使ったらどうかといった素晴らしい内容だったことが分かりました。宿泊施設などの利用ということで教育委員会にプレゼンテーションをしたのだろうと思います。しかし、残念ながら、宿泊ということに関しては、近くの鵜飼谷温泉の宿泊施設には及ばないと思います。先月、6年生担任の角田(かくだ)先生や校長先生に、教育委員会にプレゼンに行くまでにどのような準備をしていったかなどをお聞きしました。
質問に移ります。
町として、佐伯小学校6年生の「山田小プロジェクト」の提案をどのように受け止めたか。どのような感想を持ったか。これまで町として、旧山田小学校の再利用として取り組んできたことや、町として、こういう風に利用したいと考えているといったことがあれば答弁ください。
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(答弁の参考に)
山田小プロジェクト 21-03-24 ななスパ 廃校舎をきれいに佐伯小6年生が清掃
山田小プロジェクト 21-12-09 RSKイブニングニュース 5年前に閉校 廃校の有効活用を「学び舎を忘れてほしくない」小学生の思い
YouTubeで検索すると5つぐらいの動画が見つかります。
(コメント)
シニアスクールとして活用してはどうか
子供たちの熱意に刺激され、私も考えてみました。
旧山田小学校は、耐震補強工事ができていますし、冷暖房も完備していると聞いています。
企業が有料で長期に利用してくれるのがベストだとは思いますが、このまま利用されずに月日が過ぎると建物も設備もどんどん劣化していきますので、無償であっても、時々利用してくれる人や団体はありがたいのではないでしょうか。町として、個人に利用してもらうことは考えておらず、できるだけ企業に利用してもらいたいとの考えがあるとは聞いていますが、あてが見つかるまで放置することよりも、とりあえずの利活用を考えてみるのも悪くないと思います。
6年生の児童に触発されて、私も旧山田小学校の利活用の方法を考えてみました。
たとえば、旧山田小学校を「シニアスクール」として利用するというのはどうでしょうか?
シニアスクールというのはきちんと定義されている言葉ではないと思いますが、ここでは高齢者のための学校のような意味合いで使わせていただきます。
年齢制限は緩くていいんですが、高齢者を対象に、週に数日、1日数時間の学びの場を提供するというアイディアです。全国の事例をみてみると、廃校にではなく、少子化によってできた空き教室を利用して、高齢者の学びの場を提供する形態があるようですが、それと似てはいますが、ちょっと違います。
高齢者や主婦など、日中に空き時間がある人を対象に、町内町外関係なく、週に数日、1日数時間の学びの場を提供するというアイディアです。音楽、美術、工作、書道、俳句、体育などの学校の授業のような活動をしながら、学校のように過ごすシニアの学校です。シニアがメインターゲットではありますが、年齢制限はなくていいと思います。公民館活動でも、似たような活動はありますが、小中学校の児童生徒のようでもあり、自由に学ぶ大学生のようでもあるような、学校のような学び直しの場になったらいいのではないかと考えています。参加者の人数などにもよりますが、毎日でなくても、週に数日、基本的に午前中に登校してきて、お昼前まで過ごすとか、お昼過ぎから夕方まで学校で学んだり、交流したりして過ごすという学校に近いスタイルです。
音楽好きが集まって歌を歌ったり、楽器を演奏したり、絵を描いたり、習字をしたり、俳句を作ったり、日曜大工をしたり、運動場を利用してグランドゴルフをしたり、体育館で卓球をしたり、漢字の勉強をしたり、算数や数学の難問に挑戦したり、地理や歴史を勉強したり、折り紙をしたり、将棋をしたり、資格に挑戦したりといろんなカリキュラムを参加者主体で自由に作るといいと思います。教室も多いので、工夫次第で様々な利用方法が考えられます。読書好きの人が集まって、本を持ち寄って図書室のように使ってもいいでしょうし、テレビゲームをする部屋があってもいいかもしれません。子供も遊びに来るかもしれません。カーテンをするなりして中が見えないようにして、女性専用のフィットネスルームにしてもいいかもしれません。民間でもこういったサービスは喜ばれているようですが、なかなか近くにはありません。家で使われなくなったぶら下がり健康器、ルームランナー、マッサージチェアなどを持ち込んだりすると低予算でできます。健康増進にもつながります。誕生日会をしたり、ゲームをしたり、掃除をしたり、自分たちで決まりを作って、運営もできるだけ参加者でできると、生きがいにもつながると思います。参加者が自分たちで作る学校であり、学び直しであり、子供の頃に戻るような体験ができるかと思います。
町長の施政方針の中にも、生涯学習とか、コンサートや演芸で人と人がつながるといった内容があったと思いますので、それにも合致した旧山田小学校の利活用の方法ではないかと思います。元々、学校は人が学ぶのに適したようにつくられているので、企業に利用してもらうのもいいでしょうが、生涯学習に利用するのが最も適した利用方法ではないかと思います。
友だちとおしゃべりしたいから、病院に集まるというのではなく、学校に集まるようにすれば、医療費の削減にもなります。私も経験がありますが、保護者の中には、朝子供を病院に連れて行って、お医者さんに診てもらって、できれば2時間目に間に合うように学校に行かせたいと思っていても、高齢者が朝から病院の順番待ちで並んでいて、長い待ち時間の後に、子供を学校に送り届けたら昼前だった。何とかならないかといった声もあります。
学校に集まれば、健康チェックにもなりますし、安否確認にもなり、健康寿命が伸びるのではないかと思います。出席簿をつけるついでに、体温、血圧など測定していけば、その変化が健康づくりや病気の発見につながるかもしれません。
人が集まれば、教室の一室を利用して、カフェとか喫茶店にすれば、若年層の雇用の場にもなりそうです。畑で採れた農作物を持ち寄れば、ちょっとした道の駅のようにもなり、賑わいにもつながると思います。人の集まりができればアイディアはいろいろと広がります。安東議員の一般質問にもあったように、高齢者向けのスマホの講習会といったこともできると思います。
旧山田小学校から鵜飼谷温泉は近いので利用者が増えるかもしれません。町営バスの利用も増えるかもしれません。シニアスクールでは町に利益が入らないと考えるかもしれませんが、鵜飼谷温泉の売上が増えるとかバスの利用者が増えるとか、医療費が抑えられるといった効果があるなら、町の財政にもプラスになると思います。
先生は公民館講座のように、町内や町外から来てもらったり、生徒の中で特技を持つ人が先生になって教え合ったりという工夫をすればうまく回っていくのではないかと思います。もちろん、公民館のようにお金を出し合って、講師を呼んでもいいと思います。講師がいなくても、ビデオや動画で学ぶことができる時代です。週に1日程度の利用でも、建物の傷みが減ると思います。
子供の頃にもっと勉強をしておけばよかったと思っている高齢者や算数や社会や理科をあらためて勉強してみたいと考えている高齢者も一定数はいるのではないかと思います。体育館を利用して、卓球を楽しんだりするのもいいと思います。卓球は高齢者でも無理なくできるスポーツです。そうした交流の中で、同じ趣味を持つ人とのつながりができたり、人の輪の広がりができたり、スマホの使い方を教え合ったりして、より健康で、より充実した人生になるのではないかと思います。
シニアスクールが軌道に乗ったら、現在、佐伯庁舎の隣を利用している児童クラブも、旧山田小学校に移動することを検討してもいいかもしれません。少し遠くにはなりますが、運動場もあって、高齢者とのふれあいもできるというメリットもあり、高齢者も目を配ってくれるので、児童クラブのスタッフの負担も減るかもしれません。
私の父も、しょっちゅう仲の良い町内の友だちとおしゃべりをしに、決まったたまり場に行きます。そのたまり場を旧山田小学校にすればいいのです。教室もたくさんあります。町外の人も利用してもらったらいいと思います。
小中学校にも高校にも校則があるように、シニアスクールにも校則を作るといいと思います。それは利用者が互いに納得できるようなものを当事者が作ったらいいと思います。たとえば、政治の話はいいけど政党への勧誘はしないとか、宗教やネットワークビジネスの勧誘をしないといったように、利用者が楽しく利用できるようなものを作り上げていけばいいと思います。
このような提案をさせていただきましたが、様々な制約もあり、難しいところもあるかと思います。公民館活動とかぶるところもあると思います。これをそのまま採用してくれというつもりはありませんが、こういった方向性での利活用も検討のひとつに加えていただけたらと思います。
この提案に対して、感想なり、意見なり、何か答弁をいただきたいと思います。
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